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永井 純のファッション・ライヴ
 
 
vol.52 <St.ODIM>常識という固定概念
世間一般に言う常識の定義って知っていますか?
常識とは、一般社会人が当然持つとされる知識や判断力、、、とある。(三星堂辞典/デイリーコンサイス国語辞典参照)

さて、ここにある「当然持つとされる知識や判断力」っていうのには、人によってかなりの差があるはずで
「当然持っている」と思われることは、学校や家庭で教えられ、学んで知っているはずと
第三者に思われている知識や判断力のことのようなのだ。
しかし、この「当然持っている」と思われている事がそうでもないようなのだ。
それは、最近巷で流行っている『一般常識』に関する本が本屋の店頭を賑わしている事からもうかがえる。

まず知識。その上で経験や体験などを経て判断力が付いてくる。
本の中だけでは知識はついても判断力までは付かない事が多いように思うのだ。
知識も本からだけでなく、普段の生活の中から学ぶ事も多いはずである。
学問だけでなく経験や体験でしか得ることのできないこともあるのではないだろうか?

などと偉そうなことを思っていた矢先に 私は、『なんて常識のない!』ことをしでかしてしまったのだった!

セントオーディンはスーツやジャケットを専門に扱うオリジナルブランドのお店である。
一般的な百貨店や巨大なショッピングモールなどと違って、ご来店していただいたお客様には
ゆっくりと商品を選んでいただきたいので、試着の合間などにお茶やジュースなどを差し上げたりしている。
ゆっくりくつろいだ空間でゆったりと洋服を選んで欲しいと思っているからだ。

店内には内装をした時に一緒に作ったオリジナルの家具の食器棚がある。
その下側が開き戸になっていてそこに冷蔵庫を仕舞っているのだ。
高さが制限されるのでそこに上手く入る冷蔵庫を見つけるのに苦労した覚えがある。
苦労して探したにも関わらず、家電屋で注文して配送されてきた時に入れてみると3cmくらい大き過ぎて入らず
また戻して探し直しまでした冷蔵庫だ。
1ドアで上の方に小さな冷凍室が付いている。
前側に開くプラスティックに蓋を開けてその中に冷凍するものを入れるタイプのものだ。
そこはすぐに霜で被われるようで、放っておくと霜取り用の受け皿は引き出せないし、 ヘタしたら表の蓋すら開かなくなる。
自動では霜取りになっていないので、定期的に霜取りスィッチをいれなければならない。

、、、それをついつい忘れてしまうのだ。

以前、いつものように長い間、霜取りのスィッチを入れ忘れていたことがあった。
そこにはびっしりと霜がくっついており、表の蓋はまったく開かなかった。
それで初めて霜取りのスィッチを入れてみたのだ。
ところが、その霜取りのスィッチを入れた事を忘れてしまった。
で、どうなったか。。。
霜は溶け始め水となって水受けに流れていった。
ところが、水を受ける皿の容量が全く足らなかった。ってことは、、、そう、皿から出た水は冷蔵庫の内部の壁を伝って底に落ち、 底の凹部分に溜まり、そこを溢れた水が冷蔵庫の扉の隙間から床に落ちていったのだった。

冷蔵庫の扉に隙間があることさえ知らなかった私だったが、 霜取りを忘れたことに気が付いたのは次に冷蔵庫を開けた時だった。
その時はすでに霜はすっかり取れて、洪水と化した水が床を濡らし、冷蔵庫の横に置いてある箱へ忍び寄ってきていた。

あわててバケツを用意して、受け皿の水を取り、冷蔵庫に残っている水をぞうきんで拭き冷蔵庫を動かしたのだ。
床はすっかりびしょぬれになっててぞうきんで拭いただけではどうしようもない感じになっていた。
しかたなく、冷蔵庫を移動して床の濡れた面を拭き、風を通して乾かす事にしたのだ。
結局綺麗に乾くまで1日かかってしまった。

それ以来、霜取りをしないで良いように早め早めに霜取りスィッチを入れるようにしていたのだ。
なのに、なのに。。。どうしてこんなことになったのか。。。

気にはなっていたのだ、微妙に霜が付いてきたなって。
でもまだ大丈夫? なんて思っていたから前にも増して霜が付いた状態になっているような。
気になって気になってしかたがない。でも、前と同じ失敗を繰り返してはいけない。

そうこうしている内に、霜はどんどん増え続ける。一大決心をして霜取りをすることにしたのだ!
溶かしたから水になった。だから溶かさずそのままの状態で取ればいい。
・・・ってことでアイスピックで氷と化した霜を刺し始めた。

ザクザク、ザク。
氷の飛沫が飛んでくる。
砕いた氷を受けられえるように皿の霜を綺麗にしていった。
面白いように霜が取れていく。

ザクザク、ザクザク。
ちょっと面白い。
皿の奥までは刺しきれない。しかたなく表側に膨張した霜の部分を刺し始めた。

ザクザクザク。ザクザクザク。
皿の手前部分に砕けた氷が積もっていく。
割と固まりで砕けてくれるので、大きな氷は洗面器に移しやすい。
氷が溜まると捨てにいく。

ザクザク、ザク。
氷に取り囲まれていて分からなかった冷凍庫部分の原形が見えてきつつあった。

ザクザク。ザクザクッ、プシューーーーッ!!!

キャー、、、何、なに、なに、、、、

思いっきり氷を砕いていたアイスピックの先が何かを突き刺したようだ。
穴が開いて、そこから何かが私の顔めがけて吹き出してくる。

これ何、臭いくさ〜い!!!

私は、びっくりして冷蔵庫を閉めてしまった。
しばらく扉を開ける勇気はなかった。
一体何が起こったのか。あの臭い空気は一体なんだったのか。

2、3時間経ったろうか、そぅ〜っと扉を開けてみた。
シュ〜〜〜ッ!!
なんとなく勢いは弱まったもののまだ出ている。臭い、臭い。

冷蔵庫の中にあったものを取りあえず全て出した。そしてまた閉じた。もう開ける気にもならない。
その時、『爆発する?』って文字が頭に浮かんだ。電気抜かなきゃ、とコンセントを抜いた。

これでしばらく置いておこう。
もしかしたら治まるかもしれないし、、、空気が抜けきったら、穴を塞げば大丈夫・・・。
臭いのは窓を開けて空気を入れ替えれば何とかなる?
・・・そうして日曜日の夜が更けていったのだった。

明けて月曜日。
乃一さんに冷蔵庫現象を話してみた。
「そらあかんわ。もうつかわれへん。壊れとるやろ?」
その通り、冷蔵庫はただの箱となっていたのでした。

昔は同じように(アイスピックで氷を砕く)霜取りをしていて、私がやったのと同じように壊してしまって修理するケースが多かったそうだ。
しかし、今時そんな人がいるなんて、と呆れられて。。。
一応修理してくれるか聞いてみよう!とメーカーに電話したら、「アイスピックで、、、霜取りされたんですか?」
と、対応してくれた女性も話を聞いている間に呆れたような応対のトーンに変わっていき、
出張修理をすると5万円かかると言う返事。
新品をたしか、2万か3万で買ったような。
修理になぜ5万もかかるんだ!!!って全て私の常識のなさ!

冷蔵庫っていうのは、あの私が穴を空けた金属板の中を流れるフロンガスで全体を冷やしているそうだ。
リサイクル法が施行された時に、フロンガスも問題になったけど、冷蔵庫のフロンガスって後ろに入っているものと思い込んでいた。 (今回改めてフロンガスについて勉強しました!!)
これってみんなが知っている常識?

そんな話を事務所でしたら、「お湯かければ良かったのに、、、」って。
確かに。

アイスピックで砕く。この考え以外頭にはなかったってことが問題だ!

「当然持つとされる知識や判断力」。。。

みんなが、普段何気なく「常識」って思っていることも私にとっては今回のように、全く常識外だったりすることもあるのだ。
情報が溢れ、その情報に右往左往してしまう現代で何気なく知っているはず、、、と思っていることも、
「そんなの常識でしょ!!!」って思っていることも、知っていると思い込んでいる自分自身さえも
もしかしたらそれは「常識」ではないかもしれない。

あなたが知っているその「常識」は本当に「常識」ですか? 次回につづく
 
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