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比叡山。。。
今ちょうどNHKで「巧妙が辻」の放映中だ。
姉川の戦いで浅井・朝倉の連合軍を破った織田信長は、翌年にこの戦いに関係した延暦寺を焼き討ちにする。
その舞台ともなる比叡山。
意外と近いその地へまだ足を踏み入れたことがなかった。
京都から山越えに滋賀県を目指す。途中「比叡山ドライブウェイ」の入り口にさしかかる。
京都で激しい通り雨に合ったのだが、このあたりも雨に降られたようだ。
なんとなくその名残りがあって空気が水気を吸って重たい。
車の窓を開けるとひんやりした風が入ってくる。
最近車の窓の開け方を覚えたオーディンが、一生懸命にスィッチにカチカチとツメをたてている。
窓から顔を出して風に吹かれるのが大好きなオーディンは開いた窓からやっぱり顔を出そうと必死だ。
フロントガラスの前には真っ白な霧が行く手を遮っている。
まわりを見ると木々に囲まれた道路がそこだけぽっかり開いた感じに思える。
少し車を進めると小さな展望台があった。
きっと眼下には琵琶湖が広がっているはずなのだが真っ白な霧はすっかり景色を呑み込んでしまっている。
そろそろと動かしながらその上にある夢見が丘までやってきた。
そのころにはうっすらと霧も晴れてきた。そこからは京都の街が一望できた。
「四角い緑のところは何?」
かなりの空間が緑一面で被われていた。地図を広げて見た。
「御所!」
上から見るとこんなに広いんだ。ちょっと驚いた。
その向こうにも御所の大きさにはかなわないが小さな緑の空間があった。そこは二条城だった。
そのまわりにはそこからは確認できないほど小さな建物や、家などがひしめき合っているのが分かる。
京都の街は山々が囲むように佇んでいる。
その山々のあちらこちらから白いもやが立ち上っている。先ほどの雨が水蒸気となって天へ向かって登っているのか。
そこにある景色はまさに『水墨画』の世界だった。
「きれい。。。」
言葉を失うような感覚。山の色も深い緑から紺に近いような色合いだ。
その間から立ち上る白い霧はまるでけむりのようで、今にも消えてしまいそうな儚さを持っているようだ。
その白と山の濃い色合いが絶妙なコントラストを作っているのだ。
そこからさらに上がると「ロテル・ド・比叡」がある。こじんまりとしたホテルである。
気持ちの良い天気になったので、お茶でも飲ませていただこうとCAFEに声を掛けると、犬は外につないでくださいと言う。
それならテラスで飲ませてもらえるか?と聞くとOKしてくれた。
テラスのテーブルもイスも雨でぐっしょり濡れていた。CAFEの人が丁寧に拭いてくれた。
さすがにひんやりとして肌寒くなってきた。
下界では暑くて冷たい物を飲んでいたのに、思わず暖かいカフェオレを頼んでしまった。
CAFEの人も膝掛けを用意してくださって、やっとほっとした感じ。
ゲートに戻り西大津バイパスをいざ琵琶湖へ。
久しぶりの琵琶湖はやっぱり大きい。オーディンは初めてだったっけ?
琵琶湖を眺めて走り、途中左折する。
坂本は延暦寺の門前町、石積みの町として有名な場所らしい。(というのも私は全く知らなかったのだ!)
そこにある「日吉そば」でひと休み。
営業中の看板はあるが、お店の中は誰もいないくらい静かだ。
「すみませ〜ん」と声をかけるとおばさんがでてきてくれた。
「車に犬を残しているのですが、良ければここに入れてもいいですか?」と聞くと「どうぞ」と快く招き入れてくれた。
築80年くらいの建物らしい。でもお店はもっと古くから営業しているとのこと。こんなお店からも歴史を感じる。
注文して出てきたおそばをいただいた。
どこか懐かしい感じのする味だった。歯ごたえも程よく私好みだった。
出汁の加減もちょうど良く、気が付くとお出汁もすべて飲み干していた。
もちろんそば好きのオーディンは横からおねだり。オーディンも満足そうにチュルチュルっと食べていた。
このあたりの石積みとは、安土城・江戸城などの石垣築城に活躍した「穴太衆(あのうしゅう)」による石積みのことらしい。
この穴太衆積みが日吉大社参道両側、寺院などの石垣を作っている。
この石の積み方をすることによって排水を良く、堅牢さを保つことになるようだ。
日吉大社へ行こうとこの石積みされた参道脇を登り始めたのだが、どこの道で間違ったのか舗装道路へ出てしまった。
その道の側の高校があの有名な比叡山高校と知り、ちょっとうれしかった。
とはいえ、学校に来るだけでも足腰をかなり鍛えられそうだと実感。
長い石段の階段をもう戻る気がしなかったので、この道路を降りることにした。ガタガタガタ。。。
音の方を見上げるとちょうどケーブルカーが戻ってきたところだった。
そこにある看板もケーブルカーの駅を指している。
ケーブルカーは新しく深いグリーンと赤の色が可愛い。
道路に沿っていくとケーブルカーの駅が離れていく。どうして〜。。。
このまま行くとケーブルカー坂本駅を見ずに降りてしまいそうだったので、どこかから上がらなければ、、、と
見つけたのはほとんど獣道。こんな道から上がれる?
でも人ひとりが通れるくらいの細い道が作られているって事は使っている人がいるってこと。
オーディンも必死に登っている。(決して抱えて登ったりしませんよ〜。そんなことした
ら私もオーディンも滑って落ちます。オーディン重たいもん!!!
自分の事は自分でするよう躾ないと。。。)
何とかケーブル坂本駅に到着。なんとレトロな駅。
聞くと80年近い歴史を持つ駅とのこと。そんな昔から交通が発達していたってこと。スゴイね。
「お参り」って今も昔も大切なというひとつの行事。
単なる旅行でもなく観光でもなく、独特の感覚を持ったモノ。
「京都へ旅行」っていうとなんだか遊びっぽいけど「京都へお参りに」っていうとイイコトしたみたいな感じになる。
そんな感覚の「お参り」。
その「お参り」のために作られたケーブルカーと駅。
延暦寺の「お参り」への思いが伝わってくる。
そこから下界へ降りる途中に慈眼堂、滋賀院門跡へ。
ひっそりとした門をくぐるとそこには別世界が広がっていた。
たっぷりと雨を吸った木々の緑はキラキラと煌めいて苔むしたお堂の前に鎮座する石塔のどっしりとした威厳。
水気を含んだ空気のなんと爽やかなコト。とき折、頭や肩にかかる雨の雫さえここちよいと感じてしまう。
すれ違う参拝の人へ自然と会釈してしまう自分が恥ずかしいような誇らしいようなくすぐったいような気持ちで参道を歩いていた。
日本やな〜、としみじみ感じた一日だった。
日常とはかけ離れた空間。
たまには、しっとりとした気分に浸って、リフレッシュして、気持ちを切り替えてそしてまた日常へ戻っていこう。
きっといつもの日常にいる新しい自分を見つけることができるはずだから。。。
(
次回につづく) |
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