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永井 純のファッション・ライヴ
 
 
vol.39 <St.ODIM>インドへの想い 1
今、国立民俗学博物館で「インドサリーの世界」という特別展が行われています。

美しい民俗衣装であるサリーは、色彩はもちろんのこと、刺繍や独特のミラーワークなど手仕事でしか創りだせない
繊細なテキスタイルで作られています。
この美しい織物は、やがてヨーロッパへ渡り、時を経て日本へも紹介され、
ファッションの世界に大きな影響を与えてきました。
そのサリーとサリーを生んだインドファッションの魅力満載の特別展が始まったのです。
インドの持つ不思議な空間に包まれて異国の文化に触れてみませんか?
  http://www.minpaku.ac.jp/special/sari/

今回は、私のインドの想い出をお話ししましょう。
私はインドという国が大好きです。なぜ好きかというと、あの何とも言えない「空気の匂い」でしょうか?
頭の先から、足の先まで突き抜けるというか浸れるというか、身体を包みこむ空気の層が濃くて
クラクラしそうなのですが、自然とその神秘的な香りの虜になってしまいました。
これまでに私が使った時間の中にも、インドの足跡が残っています。
その時間の中にも、今の私を作るひとつのきっかけがあったように感じます。

以前、仕事でインドヘ行っていった時期がありました。そう初めて行ったのはちょうど阪神大震災の頃。
震災が起こる2日前に大阪を発って、インドのムンバイ(その頃はまだボンベイと言っていました)に着いたのが震災の前日。
私は、震災の当日をインドで迎えたのですが、ホテルのレストランで朝食を取っている時にその知らせが入ってきました。
急いで部屋に帰ってTVをつけると、BBCやCNNなどのニュースでは神戸を中心の関西圏が 赤い丸印を付けられ、流れてくる映像は長田の火災現場の様子だったのです。 日本へすぐに電話をしてみましたが、通じるまで2日かかりました。

日本の事を心配する私たち日本人を見かけると、ホテルで働いている人や泊まっているイン ドの方々が、優しく声をかけてくれました。 それだけの行為が、とてもこころ強く感じたことを憶えています。(なかなかできるものではないですから)

さて、インドへの出張が決まった時に、一体どんなところだろう?とまわりで行ったことのある人を探したのですが、
結局見つからず「地球の歩き方」を本屋で買ったことを思い出します。
「地球の歩き方」に書いている内容や旅行した人の感想などを読むと、どうやら街が綺麗ではないらしく、
食べるもの、特に水や氷に注意しなければ大変なことになる!ということでした。
綺麗なところじゃないからといって出張をやめるには理由にならないし、それ以上にインドってどんなトコ!的な
興味の方が断然勝ってしまい、出張中大丈夫なように準備を始めました。
今考えると笑ってしまいますけど、当時は真剣に用意して行ったのです。
まず、水が飲めない、ということで用意したのは「ミネラルウォーター」。
食事などの時は注意できても、朝顔を洗ったり、歯磨きしたりする時に過って水を飲んではいけないと用意したものです。
1週間ほどの出張だったため、これはスーツケースのほぼ半分のスペースになりました。
また、シャワーを使う時に水を濾せるようにたくさんの「ガーゼ」を用意しました。 こんなことでなんとかできるのか?とも思いましたが、実際使った時には、水の中に入っていた錆のような不要物を かなり取り除くことができました。
また、心配だったのがトイレです。
ホテルや事務所などでは綺麗な水洗トイレでしょうが、外出先やレストランなどがどうなっているのかが 分からなかったので、とりあえず「ポケットティッシュ」をたくさん用意しました。
合わせて「ウェットティッシュ」も持っていったのですが、これが一番活躍しました。
そんな具合にインドへの準備が整い、出張へ出かけることになったのです。

初インドはムンバイ。
アラビア海に面したムンバイは大都会。
ホテルへと続く海岸線を道路が伸び、インド門へと続いています。
インド門・・・神々が沐浴するために創られた入り口のような佇まいで海の側に建っていました。
その近くの「アンバサダーホテル」がムンバイでの住まい。近代的なホテルでとても印象が良かったホテルです。

私が泊まりたかったホテルは「タジマハールホテル」。
金ぴかの豪華絢爛なホテルなのです。その時聞いた話だと、泊まっている人の多くはそこで住んでいるインドのお金持ちだとか・・・ (真実かどうかは分かりませんが、何度もトライしても結局一度も泊れませんでした)

せめて雰囲気だけでも味わおうと、現地の仕事先の社長さんに連れて行ってもらったことがあります。
レストランの中もどこもかしこもきんきらきんで眩いばかり!!!
もちろんすべてインド料理。カレーの種類やナンの種類の多いこと!これだと毎日食べても飽きることないはずですね。
ちなみにこの日のランチは、仕事先の事務所で出前(っていうのかな?)のインド料理でした。
インド料理っていってもいろいろあって、カレーがメインかと思えば、肉や魚料理もあるし辛いものばかりではなく、
意外と甘いカレーもあったりして、より美味しく食べることができるのです。
まず、どんなに高級なレストランへ行っても、街のレストランヘ行っても、現地の方もする行動といえば・・・全く驚きです。
食べる前に必ずナイフとフォークをナプキンで拭くのです。これにはちょっと(笑)。
ここでウェットティッシュを出して拭いているとそのウェットティッシュに感動されたので思わずプレゼントしちゃいました。

「タジマハールホテル」のあのレストランの値段は日本のレストランより高いんじゃないの?と今でも思っています。
(お金持ちの社長さんに御馳走していただきましたが)
まわりの人々はほとんどインドの方々でしたが、みなさまお金持ちそうな匂いがすっごくするのです。
家族で来ている人たちが多くて、それぞれのテーブルがとても賑やかです。
子供達も綺麗に正装して、テーブルのまわりを走り回ったりせずきちんとイスに座って食事をしていました。
その家族の中ででひときわふくよかな人がお母さんのようでした。
インドの方は太っていることこそ富の象徴と思っているらしいのです。
きっと彼女たちにとってはダイエットなんて何の意味があるのか!って思っていることなのでしょうね。

その後、生地を作っているメーカーを訪ねることになり、移動することになりました。
ムンバイから国内線の飛行機で2時間くらい乗ると目的地に到着です。

そこはバンガロール。
今ではその地名もすっかり有名になっている程、IT企業の多い街です。
その時に行ったメーカーでも、プログラマーに生地の柄をいろいろと作ってもらうことができました。
まだまだ日本でもmacでデザインする人が一般的になっていない頃です。
巧みにコンピューターを操る人たちがあちらこちらにたくさんいるのです。
インドを代表する「マドラスチェック」。あの独特のカラーも最近はこうしてでき上がっていくらしいのです。

しかしコンピューターはあくまでコンピューター。
このコンピューターコンピューターで作った柄を実際の生地に作っていくのは、長年の経験と感覚。
渋いカッコイイオジさんの職人さんが生地のストックルームへ案内してくれました。

そこは、まるで小さな図書館のような感じでした。たくさんの引き出しの中には、きちんと整理された資料が並んでいました。
職人さんは、その部屋の資料を整理するオジさんだったのです。
オジさんは、プリントアウトされた柄を見ながら、ためらうことなくイメージにあいそうな資料を取り出してくれます。
10種類くらい出してくれると、柄と比べられるように資料を置いてくれました。

生地の風合いや糸使いのイメージなど、オジさんの選んでくれた中から十分に選ぶことができました。
すぐにイメージのものを探されて、ちょっと悔しかったので違うイメージのものを探してもらうことにしました。

「もう少しスラブ糸が入っているものがいい」、「これで先染めにするとどんな感じになるのか」とか、
「風合いを変えずに品質向上はできるのか?」などなど。
しかし、さすがはその部屋の番人。無理難題に的確な資料を出してきます。・・・この勝負、完全に惨敗でした。

部屋の中にいると、美術館や博物館にいるような不思議な感覚で歴史を感じることができました。
いろいろな時代を経て、残されてきた多くの資料に私たちの知らない歴史を重ね合わせていました。

さあ、生地の柄もイメージ、さらにデザインも決まったので縫製メーカーにサンプルを依頼しに行くことになりました。
この後、さらに楽しい出会いが待っていました。
私たちはさらに別の街へ移動することになったのです。
さて、この続きは次回のお楽しみとさせていただきます。

* * * * * お知らせです! * * * *
  10月3日よりスタートする NHK 朝の連続ドラマ「風のハルカ」に出演する真矢みきさんへ衣装提供します!

ハルカのお母さん役の真矢みきさん。
先日、NHKのスタジオへお邪魔してお会いしてきました。もう、すっごく素敵な方で感激でした。
キャリアウーマンの母親役で、セントオーディンの服も気にってくださってるとお聞きしてこれにもまた感激です。
ハルカちゃん、かわいかった〜。何度も取り直していたあのシーンが今も残っています。

朝から元気になれるこのドラマ。あったかいストーリーに私もハマってます。
セントオーディンの服をチェックしながら朝の連ドラを楽しみましょう! 次回につづく
 
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